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高等学校からのお知らせ

小論文トレーニング 優良作品発表 (1年生)

2017/03/06

1月末に実施した「プレ小論文トレーニング」。
与えられた5つの課題からテーマを選び、400字以内で自分の意見を述べる形式の小論文のトレーニングでした。
本校の平均点は、各テーマで全国平均点とほぼ同等もしくは、上回る結果となりました。
なかでも優良な成績を収めた作品を、ここでご紹介します。


「家庭から出るごみの減量」 1年4組 S・R

 近年ごみの増加により環境に悪影響を及ぼしている。公害問題や地域温暖化、大気汚染などの環境問題は自然が原因なだけではなく、我々の生活が大きく関わる。とくにごみの割合が多く占めているだろう。割合を減らすため自分の生活を振り返る必要がある。
 科学技術が発達したことにより私達はとても便利な世界に生きている。そのため次から次へと新しいものを求め、古くなればまだ使えるものでも使おうとしない。さらにペットボトルや缶という使い捨て可能な便利グッズも登場し、今まで使用していた水筒すら使用する機会が減ってきた。買い物へ行く時はエコバック持参を面倒がりビニール袋をもらう。このように便利を求めているという今までのものはすべて古い=ごみとなるのだ。
 私自身も新しいものを求めたことが何度かある。しかし、よく考えれば一回一回が環境に悪影響を与える。環境にやさしい行動は何かを考え生活していくべきだ。

<講評・アドバイス>
「家庭から出るゴミの減量」というテーマに対して、それを達成するための具体策「水筒」「エコバッグ」を挙げて意見を述べることができています。また、ゴミの増加の理由として「現代人が科学技術発達後の便利な生活に慣れている」という、妥当性のある社会的背景が挙げられているのも小論文的な評価ポイントです。かえって400字だと短すぎたでしょうか。600字や800字で、さらに詳しく書くことにチャレンジしてもいいでしょう。

「小論文」としての評価を高めるには
■話題の範囲は守る

ペットボトル・ビン・缶は、資源ごみとしてリサイクルするシステムになっているので、これは「焼却ごみ」「埋め立てごみ」ではなく、課題の「焼却後のごみを埋める最終処分場が飽和する」ことに対する意見としては「論点がずれ」ています。あくまで、「家庭から出る」ごみで「焼却されて、最終処分場に送られる」ものについて論述しましょう。アプローチ1のところで、そういうごみの例として適当なものは見つけられていたようですね。   


「あなたが学校生活で心がけていること」 1年6組 H・Y

 私は学校生活の中で、誰かとすれ違った時に必ずあいさつをすることを心がけている。
 必ずあいさつをする理由は、した人もされた人も笑顔になるからである。笑顔になることで人は物事を前向きに考えるようになる。あいさつは人を笑顔にし、考え方までも変えてくれる大きな力を持っているのだ。もう一つあいさつをする理由がある。それは、会話を始めるきっかけになるからである。必ずそうとは言えないが、あいさつをした後に、自然と会話が続くことが多い。あいさつをした人と会話をし、楽しい時間を過ごすことができる。あいさつをすることによって、このように私たちの生活は大きく変わるのである。
 社会人になると初めて会う人が増えるが、その人達の私に対する第一印象を良くするためにも、あいさつすることを心がけて生活していきたい。


<講評・アドバイス>
学校生活で心がけていることとして「あいさつ」を挙げ、それが「社会や人の生活をどのように良くするか」について説明できています。添削コメントにも書かれていますが、具体的な体験をもとに説明できれば、なお評価が高まったでしょう。また、「社会人となった際の自分の第一印象を良くする」というのも、功利的に見えて実は大切なことです(自分の生活が良くなる)。

「小論文」にしていくのに必要なこと
■論述に社会性を持たせる
■小論文は「知識」で勝負
■「知識」は日頃の情報収集と考える習慣から

 
今のままでは「ある程度社会性を伴った決意作文」という形になります。小論文では「しっかりとした社会性」を伴うことが求められるので、今の日本で「あいさつ」に関してどういうことが起こっているか(「マンション 挨拶禁止」で検索)、あるいは、「あいさつ」によって改善される社会問題はないか、などについて調べ、考えてみましょう。このように調べ、小論文などで使えるようにまとめられれば、それが「知識」となります。実際の小論文論述では、この「知識」の量と質が勝負を分けます。日頃の授業で見聞きしたことやニュース、新聞などを「知識」化することを習慣化しておけば、小論文は何も怖くない。小論文で苦労する人は、3年生になってから、あるいは3年生の夏休みになってから準備を始めて、「知識」を増やす時間が足りない人がほとんどです。

講評&アドバイス:進路部主任 濱家